微細加工の基礎知識

微細加工は金属や樹脂、マシナブルセラミックスなどに対して、マシニングセンタや放電加工機などを使用して非常に細かい加工を行うことの総称です。ここでは、そんな微細加工の基礎知識について詳しく紹介していきます。

微細加工の種類

微細加工の種類にはさまざまなものがあります。切削や研削による微細加工は、切れ刃が鋭く耐久性のある専用工具を用いて行います。マシニングの微細加工では切削を大きな工具で荒加工を行い、その後直径0.01mm程度まで小さい微細加工用の工具を使って仕上げします。

レーザーでの微細加工は対応できる材料が幅広く、自由曲線切断や穴あけなどの微細加工が可能です。加工歪みが発生しやすい被削材に関しては、放電加工機での微細加工を行います。

微細加工で良い製品を作るには？

微細加工では非常に細かい切削を行うことから、良い製品を作るためにはさまざまな対策を行うことが大切です。まず最初に考慮すべきことは加工する機械であり、精度の高い微細加工ができる加工機を選ぶ必要があります。

また、樹脂や金属は温度変化によって収縮します。そのため、加工や測定は一定の温度環境下で行わないと精度の高いものにならないので気を付けましょう。微小な振動でも加工精度に影響が出ることから、機械の振動対策を行なうことも大切です。

クオリティにかかわる面粗度

加工物の表面には高さや深さ、複雑な起伏が生じます。この起伏が微小なものを「面粗度」と呼びます。面粗度は加工品の精密さだけでなく表面の光沢や手触りなどにも影響し、商品のクオリティを左右する要素のひとつです。

測定方法は大きく分けて接触式と非接触式の2つ。接触式測定法は触針の先端を接触させて部品の表面の状態を測定する方法のことで、非接触式測定法は触針の代わりに光やレーザーを用いて計測する方法を指します。

合金に使われる超硬加工

超硬加工とは、硬質な金属炭化物をコバルトやニッケルなどの鉄系金属で焼結してつくられた超硬合金を切削や放電加工で任意のカタチに加工することを指します。加工に使用される超硬合金は、ダイヤモンドに次ぐような硬さである点が特徴です。

超硬合金は通常の工具では加工が難しいです。そのため超硬加工は、超硬合金よりも硬度の高いダイヤモンド砥石による研削加工か、微小な放電を繰り返し発生させて加工を行う放電加工が基本となります。