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タンタルの微細加工の事例紹介

タンタルとは

タンタルは、レアメタルの一種であり、バナジウム族元素のうちの一つです。反射率が低いことから、純金属としては暗い色味をしています。

タンタルの特徴

タンタルは、耐食性や耐酸性に優れ、展性や延性に長けていることから、加工しやすいといった特徴があります。

このことから、携帯電話・ノートパソコンの小型コンデンサーの材料に使用されたり、ゲーム機などの電子機器に使われたりしています。

また、電子機器以外にも、インプラントや人工歯、宝飾品や腕時計などにも使用されています。

宝飾系やアクセサリーに使用しやすい理由の一つは、「溶けにくい金属」であること。タンタルは王水でも溶けないほど溶けだしにくい金属であり、高い耐食性をもち、金属アレルギーの心配もありません。

またモリデブンやタングステンとは異なり、タンタルは「溶解」によって製造するため、素材欠陥が少ないのも強みでしょう。

なお、タンタルは1802年にスウェーデンの化学者(アンデシュ・グスタフ・エーケベリ)によって発見されました。スウェーデンはタングステンやモリブデン等24元素を発見した国ですが、タンタルもそのうちの1つです。

タンタルの用途

タンタルの用途は多岐にわたっています。電気製品や電子機器、医療機器、航空宇宙産業、エネルギー分野、半導体基板用のターゲット材にも使われています。とりわけタンタルは、導体やコンデンサーにおいて、どれぐらいの電荷が蓄えられるかを示す量である「静電容量」が大きいため、その特性をいかし、エレクトロニクス産業におけるコンデンサー用途に使用される比重が高いです。希少な金属ですが、様々な用途を通じて広く社会に貢献しています。

タンタルの加工の難しさ

様々な特徴を持つタンタルですが、切削加工においては少々加工が難しいと言えます。

粘り気があるため切りくずが剥がれにくく、難加工な素材と言えるでしょう。

また、タンタルはレアメタルの一種であることから、その価格が高価になってしまうといったデメリットもあります。

単に切削が難しいだけではなく、切削により排出される「切り屑」が工具に付着し、工具の摩耗や破損を引き起こす原因になることもあります。さらに「構成刃先」(疑似刃先)と呼ばれる現象が生じ、工具に付着した切り屑が新たな刃先を構成してしまい、それが表面粗さの悪化につながり、ますます切削が困難になるケースもあるのです。

また粘り気による切削の難しさに加え、素材の酸化による「加工硬化」も難点に挙げられます。加工硬化とは、金属素材の内部に生じる“ひずみ”によって硬さが増し、脆く割れやすくなる現象です。この加工硬化が進むと切削性はよりいっそう悪化してしまいます。

これら問題点への対策としては、「切削速度」と「切削油」の選定がキーワード。例えば、切削速度を上げることで切り屑の工具への付着を防ぐことができますが、一方で、切削速度を上げると加工硬化が進んでしまうため、単純に速度を上げるだけでなく、経験や実績に基づき、程良いあんばいで切削速度を上げたり切削油を適切に選定する調整が必要です。

タンタルへの加工対策

高融点金属・溶解であるタンタルは、素材欠損が少ない高機能な材料です。

柔軟性と延性があることから、タングステンやモリブデンよりも優れていると称され、深絞り・プレス・曲げといった加工作業性は高いと言えます。

また、静電容量が高いので、コンデンサー用途として活躍する金属です。

タンタルの微細加工事例

タンタルノズル

タンタルノズル
引用元HP:株式会社トップ精工
https://www.top-seiko.co.jp/works/tantalum11-2/

・使用素材:タンタル 純度99.5%

・加工内容:マシニングセンタ加工

・サイズ:φ2×ℓ200

・備考:吹き出し装置等

タンタル箔への高精度微細多穴レーザ加工

タンタル箔
引用元HP:株式会社リプス・ワークス
https://lps-works.com/laserjobshop/tech_lps_20110724/

・材料:タンタル箔t-0.05mm

・孔径:φ0.05mm

・工法:レーザ加工

・備考:難削材と言われ、微細加工が困難とされるタンタル。
レーザ加工により、バリが少なく真円度の高い微細孔加工をおこないました。

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微細加工を依頼する前に知っておきたいポイント

微細加工会社の選び方

微細加工会社を選ぶ際の大前提となるのが、「ISO9001認証を取得しているかどうか」と「工作設備が充実しているかどうか」です。

ISO9001認証は、厳しい審査基準をクリアした工場や会社だけに与えられる認証なので、これがあるだけでその会社は優れた技術力を持っているという証拠になります。また、工作設備の充実については、微細加工にはそれ専用の設備や機会が必要なので、設備が豊富な会社は、単純に対応できる加工の種類も多くなるのです。

微細加工会社には「精度」を重視する会社と「納期」を重視する会社があります

精度優先の会社は、特殊な工作設備や検査機器によって、加工が難しい依頼にも対応できます。しかし、高精度な加工依頼にも対応できる反面、短納期での製造が難しい傾向にあります。

納期優先の会社は、充実した工作設備によって単品から大口ロットの製造に一気に対応でき、結果として短納期での製造を可能とします。しかし、短納期で対応できる反面、常に高精度なものを製造できない場合もありますので、注意が必要です。

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精度を重視するなら

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