チタンは、強度が高く耐食性に優れた金属です。そして、軽いことや見た目が美しい点など、さまざまな点で優れています。
錆びにくい点や膨張しにくい点なども特徴の一つです。チタンには純チタン・チタン合金の二種類があります。
チタンの特徴として、まずは軽い金属だということが挙げられます。
比強度が高い点も特徴で、ステンレンスのおよそ3倍となっています。600℃の温度域までは他の金属素材よりも優れた数値となっています。
その重さはステンレス鋼の2/3、銅の1/2程度と言われています。
次に、耐食性にも優れており、海水には特に強いとされています。チタンの表面で形成されている酸化チタンの皮膜が強いためです。チタンが酸素に触れて酸化すると、酸素の分離が困難となります。酸化によって生じるチタン酸化物の皮膜がチタン本体を保護しているので腐食に強いのです。
純チタンに関してはJIS1種、2種、3種、4種と分類されています。それぞれ強度・純度が異なり、いずれのチタンも軽いことから軽量化に適している点や腐食に強い点、人体に触れるシチュエーションでの使用が可能な点がメリットです。一方で、これらの優れた特性が切削工具寿命を短くしてしまうというデメリットもあります。
また、機械的強度に優れていることから、航空機やロケットなどに使用されており、有毒性がなく生体親和性が高いことから、体内に埋め込む金属としても使用されます。人間はもちろんですが、生態系との親和性が高いです。金属アレルギーを起こしにくい点、骨が拒否反応を示しにくい点、さらには熱伝導率の低さといった特徴があります。
更に、熱伝導率が低いとされています。
チタンは大別して純チタンとチタン合金に分けられます。さらにチタン合金はα型合金とβ型合金のほか、αとβ型合金の特性を持つ合金の3種類があります。
α型合金は、チタンにアルミニウムを添加して作られる合金です。耐熱性が高く、さまざまな温度化で使用できる一方、加工しづらい欠点があります。
β型合金は、高い硬度を持つチタン合金です。α型合金と比べて加工がしやすく、幅広い用途で使用できます。しかし、高温には弱いことから、高温の環境下では強度が低下するおそれがあります。
α・β型を合わせた合金は、両方の性質を持っています。高い耐熱性と硬度があるほか、幅広い温度化でも使用可能です。加工もしやすいため、チタン合金の中でも扱いやすい部類に入ります。
64チタンは、α相とβ相の特徴をバランスよく組み合わせた合金です。チタン合金の中でも需要が高く、代表的なチタン合金と言えます。64チタンと呼ばれる由来は、質量分率でアルミが6%・バナジウムが4%含まれるからです。
64チタンは純チタンと比べると強度が高く、高温化でも安定した強度を保ちます。加工性はあまりよくありませんが、医療用のASTM規格をクリアしていることから医療用の金属としてよく利用されています。
チタンは人体に優しい特徴があることから実にさまざまなあイテムで採用されています。時計やアクセサリー、眼鏡、ハサミや髭剃り、ライター、パソコンケースやフライバン、家具、包丁等、身の回りの多くのものにチタンが採用されています。他にも自動車・自転車部品、ゴルフ用品から通信・高額危機、建築・土木、さらには航空・宇宙関連ののものまで豊富です。身近という点で忘れてはならないのが医療です。
金属アレルギーを起こしにくい特性から、手術用器具や治療の材料にて用いられることがあります。また、ピースメーカーやインプラントのように、体内に埋め込むものに使用されることもあります。チタンは我々の生活に欠かせない金属であると言えるでしょう。
他にも海洋土木(密閉用ハンドル、キャッチクリップ)やメガネフレームなどで採用されています。
チタン加工が難しい理由はいくつかあります。まず挙げられるのが強度です。チタンは強度の高さが強みではありますが、加工する場合には強度によって工具が摩耗しやすいです。
優秀な特徴を持つチタンですが、強力になればなるほど硬くなることから、難削材の部類に入ります。
そのため、加工は難しく、切削時の工具の消耗は激しいとされています。
また、熱伝導率も低いことから、切削時に発生した熱を逃がしにくく、工具を摩耗させる原因になります。
他の金属であれば、熱は切り屑に逃げてくれるのですがチタンでは逃げません。結果、熱が工具にこもり、工具に負担を与えることになります。ヤング率の低さも加工が難しい理由の一つです。変形の少なさを現したヤング率の低さも特徴ではありますが、加工する際には注意しなければならない点です。
そして低温ではあっても酸素と反応しやすいので、溶接部分がもろくなるといった特徴があります。他にも切り粉が燃えやすいことから、細かく砕いたチタンは切削の熱による自然発火性のリスクもあります。この際、水での消化は厳禁です。水が酸素と反応し、水素爆発を起こるリスクがあります。もしも発火した場合は、慌てずチタン用の消火剤や砂を使って消化しましょう。切り屑はそのままにせず、清掃するのも大切です。
チタンの加工は難しいですが、決して不可能ではありません。まず考えられるのが切削速度を落とすことです。工具の摩耗を抑えるためには切削温度を低く維持する必要があります。速度を高めると摩擦力が増えて温度が高くなってしまいますので、速度を落としてみましょう。
チタンの加工対策として、切削速度の低下や切削油による冷却をすることにより、切削工具の摩耗を極力抑えながら加工することが可能になります。
また、適正工具を選択することや、適正な工作機械を選択することにより、更に工具の摩耗を抑えることができるでしょう。
切削油の使用もポイントです。切削温度だけではなく切削抵抗を抑えるためにも潤滑油剤を使用することで冷却効果が高まります。また、チタンに適している工具を使用することも大切です。超硬合金K10、K20が適しています。
これらの対策をし、高強度と耐食性に優れたチタンを活用しましょう。
・材質:DAT51(βチタン)
・ノズル形状:対辺0.35・八角形、内径φ0.1mm・深さ0.15mm、残りφ0.2mm・深さ10mmの二段加工
・材質:チタン材φ1.6×1.3mm
・最小径:φ0.32mm
・備考:ヘリカル加工にてテーパー状に穴を切削。反対面は別形状です。
・材質:チタン
・最小径:Φ136mm
・備考:チタンの柱をΦ136mmの高さで3本残し、掘り込み切削しています。
・材質:64チタン
・最小径:不明
・備考:先端を0.2mmほど彫り残し、赤い文字の隅入れをしています。
微細加工会社を選ぶ際の大前提となるのが、「ISO9001認証を取得しているかどうか」と「工作設備が充実しているかどうか」です。
ISO9001認証は、厳しい審査基準をクリアした工場や会社だけに与えられる認証なので、これがあるだけでその会社は優れた技術力を持っているという証拠になります。また、工作設備の充実については、微細加工にはそれ専用の設備や機会が必要なので、設備が豊富な会社は、単純に対応できる加工の種類も多くなるのです。
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